スリー・ビルボード

映画『ファーゴ』で、不思議な存在感を見せつけてアカデミー主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンド主演の作品『スリー・ビルボード』は、打ちのめされるような圧倒的な作品だった。
アメリカのミズーリ州の田舎町、ほとんど車の通らないような一本道の3つの大きな道路看板に、ある日、広告が掲げられる。
広告を出したのは、ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)という疲れ果てた労働者階級の初老の女。7ヶ月前に家族を失った女は、怒りと復讐に燃えて、町中を席巻してゆく…。
怒りや憎しみは、次の怒りや憎しみにつながってゆく。女性蔑視、人種差別、セクシュアルマイノリティ差別、白人優位主義…今現在のアメリカが抱える問題を見事に凝縮したような透徹した監督の視点が映し出される。
先の読めない脚本に翻弄されて、憎しみに燃えるミルドレッドを固唾を飲んで見守り続け、見終わった後に全身の緊張感が抜けて、心から拍手を送りたい気持ちになった。
これが、映画だ。
こんな映画、今の日本では作れないだろうなあ…
アカデミー主演女優賞、助演男優賞、作品賞を取るかもしれないと確信させられる素晴らしい作品。
⭐️スリー・ビルボードhttp://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/sp/

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