叔母の誕生日。

15日は叔母の誕生日。
今年で78歳になる祖母のために、ここにも書いた珍しい新種のクリスマスローズを送った。
夜になって祖母から電話があり、「大きくてきれいなクリスマスローズだこと!」と喜んでくれた。久しぶりだったせいか話は尽きず、ずと熱中しているボランティアの話に。
祖母は、目の不自由な人と一緒に外出したり、人によっては習い事をするのを一緒に行って習ったりしているのだそうだ。最近は目の不自由な人と一緒に点字を学んだり、コンサートに行ったり、人によっていく先は様々なようで、行く先々で体験することがとても勉強になると言って喜んでいる。
美容院と全身美容の会社を経営していた祖母は子どもがおらず、旦那さんの介護をしたのちに先立たれ、祖母も自宅で介護をしながら見送った人。今までの仕事一筋だった人生とは変わって、ひとりになったらいったいどうやって生きてゆくのだろう・・・と案じてもいたのだ。
それが、今まで仕事ばかりで他にはなんにもなかった人生に、ボランティアをいう新しい毎日がはじまった。話を聞いていると、毎日忙しいようで、一日に歩く歩数も1万5千歩くらいというから驚くばかりだ。
電話の最後に祖母は僕に言った。
「ただしちゃん。あなたも早く誰かと一緒になりなさい。あなたはまだ若いけど、いずれはおばちゃんのように年をとるんだから。動けなくなってもおばちゃんは助けてあげられないのよ」
「おばさんの方がきっと長生きするよ」
叔母は僕の為を思って言ってくれているのだろう。僕は正直に生きたいと思うけど、78歳の叔母に向かって、「自分はゲイなのだ」と説明する気にはどうしてもなれずにいる。
ボランティアをやりながら忙しそうにしている叔母の声を確認して、ほっとして電話を切ったのだった。

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