バリ島旅行記vol.12(バリの洗礼。その3)

海に捧げられるお供物

〈バリの洗礼。その3〉
ビーチで『世界一の時間http://jingumae.petit.cc/banana/2732824』を過ごした後、僕たちはヴィラに帰って来た。タクシーのせいで昼ごはんが遅くなったので、予約していた素敵なお店での夕飯もキャンセルしていた。
晩ごはんまで時間があるので、Kがお土産を買いたそうだったので、9時まで開いていそうなスミニャックの町までタクシーで出かけることに。この日は祭日のためブルーバードは満車。ホテルで呼んだタクシーはブルーバードではなく、案の定ホテルを曲がったところで僕たちに聞いて来た。
運転手「スミニャックまで200(1800円)だよ」
僕「100ならいいよ。でも、それ以上ならここで降りるぜ」
運転手「わかった。100(900円)だな」
Kは僕の横で、僕の手をギュッと握っていた。つきあいはじめて気がついたことだけど、Kは喧嘩や言い争いが嫌いなようだ。(もちろん、僕だって誰とも言い争いになんかなりたくはない)
お店に着いて、僕がタクシーの運転手に100を渡し、「ありがとう」と言うと、運転手も「ありがとう」と言った。
僕「彼らは、毎回値段交渉するのが日常なんだよ。悪気なんてサラサラないし、僕たちの国とは、ただ、違うだけなんだよね。面倒臭いけど」
K「うん。でも、いちいちたいへんだね」
お店では素晴らしいお土産が買えた(今度アップしますね)。そしてまたタクシーを捕まえて、この町で一番人気のインドネシア創作料理の店を目指すことに。タクシーを捕まえるとなるとまたKが緊張しているのがわかった。
行きたい方向のタクシーは来なかったので、今度は果敢に反対方向のタクシーに手を挙げると、若いタクシーの運転手と目が合って、クラクションを鳴らして止まってくれた。僕たちは車を止めて、反対車線に渡って行ってドアを開けた。
車に乗ると、運良くブルーバードタクシーだった。運転手さんは目がキラキラしていて、僕たちに日本人ですか?と訪ねて来た。そうだと答えると嬉しそうに片言の日本語を話し、そして英語で色々話し始めた。
運転手さんはどうやら、北海道の学校にアニメを勉強するために留学していたらしい。そして、雪を見てどんなに感動したか、僕たちに熱く話しかけるのだった。
僕は、先ほど会った運転手とのやりとりをざっと話した。300を200に交渉して乗った挙句、今度は目的地の手前で降ろして400と言って来たこと。レストランの前では、人がいるから問題になると考えたであろうことなど。
運転手さんはびっくりして、と言うよりも驚いて、「ブルーバードタクシーでは考えられない値段だ。彼はクレイジーに違いない」と言った。
その後も、ブルーバードはインドネシア全土にあり、圧倒的に一番で、一人ひとりきちんと教育されていることなんかを話してくれた。Kは彼の話を聞きながらうれしそうに僕の手を握っていた。
バリ島から帰って来て今思うことは、どんな国にだって、いい人と悪い人がいるということ。今回のバリ島のでの出来事は、インドネシアと日本とのあらゆる違いを考えさせてくれるいいきっかけになったとも思っている。
色々な経験をしてひとつ言えることは、それでも僕たちは、バリ島に恋をしてしまったということだ。
〈おしまい〉

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