陶片木

前にもここに書いたのだけど、松本に『陶片木(とうへんぼく)』という大好きな雑貨屋さんがある。(前に書いた時は文字を間違って「唐変木」と書いてしまったが、どうやらあて字だったようだ)
もう20年くらい通っているであろうお店で、使いやすい胡麻の擂鉢を買ったり、美しいザルを買ったり、昨年はKと一緒に小さな器が我が家の食器棚に加わった。
今回、上高地に行くことが目的だったので、松本ではほとんど時間がなかったのだけど、帰り際、どうしても『陶片木』に寄りたくなってしまい、タクシーを飛ばして行った。『陶片木』は、有名なお店の並ぶ中町通りのはずれにある。古い一軒家を改装した店内は、初老のオーナーと若い女の子、そして日にもよるが少し年上の女性と2階に年老いた猫がいる。
『陶片木』の「もの」たちは、ただそこに静かにじっとしている。
誰かがそっと手に取って家に持って帰ってくれることを待っているかのように。
その誰かとの、運命的な出会いになることを知っているように。
Kとふたり、小さな器をいくつか選んでカウンターに持ってゆくと、「お久しぶりですね」と声がかかった。「一年ぶりなんです・・・」と言うと、「どうぞ、2階も見に行ってみてください」と誘われ、2階へ上がる。2階にはいつものように猫が寝ていて、ひとつ一つストーリーのあるものたちが並べてあった。
「また来ますね!」と挨拶をして、「やっぱり陶片木に来てよかったなあ・・・」と思いながら松本を後にした。
★陶片木https://matome.naver.jp/odai/2143133193564499101
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