園芸への思い。

水仙が顔を出しはじめた我が家のコンテナ

赤坂の枝垂れ桜

朝、ベランダに出ていたKが言った。
「このビオラ、本当によく咲くね」
ふたりで植え付けたのが12月だから、かれこれ3ヶ月以上は咲いていることになる。ここへ来て第2弾の遅咲きの水仙が顔を出しはじめて、チューリップの洪水へと続いていく。
髪を切りに赤坂に行ったら、枝垂れ桜がほころびはじめていた。枝垂れ桜は、毎年ソメイヨシノよりも若干開花が早いようだ。
その昔、靖国神社の植木市で自分で一番はじめに買った植物は枝垂れ桜だった。
小学生の低学年だった僕は、桜の花に魅せられて。1メートルに満たない枝垂れ桜の花が開いてゆく姿を、飽くことなく眺め続けた。
枝垂れ桜からはじまった植物への興味は、日を追うごとにどんどん膨らんでいった。
桜の花が開くためには、その蕾は桜が咲いた後の梅雨から夏に作られ、それがゆっくりと時間をかけて育ち、やがて春が来て咲くという仕組みを知って、植物の不思議に取り憑かれたのだった。
植物への興味は尽きることなく、次の年には、大きな藤の木を手に入れることになる。
今でも不意に、僕の人生の道は、本当は園芸にあるのではないかという思いにとらわれることがある。
春になり、様々な植物が芽生え、花が咲きはじめるのを見ていると、その思いに強く心を揺さぶられるのだ。

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