塗り絵とデッサン。

先日、新宿二丁目の『ぺんぺん草』に行った時のこと、ぺんぺん草のマスターひろしさんが言うのだ。
ひろしさん「あたし、塗り絵をはじめたの・・・」
僕「え? 塗り絵? 面白そう! 見せてよ!」
ひろしさん「ダメよ。みんな同じように見せろって言うけどそれはダメ。あんたの塗り絵を見せたら、私のを見せてあげてもいいわっ」
そんなやり取りに笑ってしまったのだけど、70歳になるひろしさんは、このところ塗り絵の魅力にはまってしまったようなのだ。
ひろしさん「色をこうやって薄ーく塗ってね、そこにまた別の色を重ねたりするの・・・今では色鉛筆の色って、何百色もあって、欲しいのよね・・・全部の色が・・・」
そして、色鉛筆も随分上達したのではないかと久しぶりのぺんぺん草に行くと、今度は何やら『デッサン』にはまっていると言うのだ。
ひろしさん「デッサンって、難しいのよ・・・楕円を描くと、いっつもどっちかが上がってしまって上手く描けないのよ・・・でも、描けた時は、私って天才かもしれない!って思うの」
昔からあまりやらなかったこと、苦手で手をつけなかったことなんかを、年をとって新しくはじめてみるのって、すごいことだと思うのだ。なんというか、何十年間も勝手に思い込んでいた自分が、意外と新しく生まれ変われるような感じと言ったらいいだろうか。
今は、家のソファと、スパシフィラムという植物を描いているというひろしさんを、何だか羨ましく見つめてしまったのだった。

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