たかが世界の終わり

映画界の若き天才と言われている『グザヴィエ・ドラン』の映画、『たかが境野終わり』は、フランスを代表する錚々たる俳優たちが渾身の演技でのぞんだ作品だった。
家を出て、まったく帰ることのなかったゲイの次男が、12年ぶりに家族の元へ帰ってくる。
ある日曜日の昼下がりのほんの数時間のお話なのだけど、ほとんど全編が家の中と周りだけで起こっていて、家族ひとりひとりの心理模様が繊細に映し出される。
巧妙な会話だけで成り立ってしまっている画面を観ていると、まるで、演劇を見ているような気分になる。美しい映像と、素晴らしい音楽が映画に想像する深みを与えている。家族であることは、目には見えない鎖のようなもので繋がれた存在なのだと、この映画を観ながら改めて思った。
確かに、28歳とは思えない、天才演出家。
★たかが世界の終わりhttp://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

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