ストーンウォール

その当時のアメリカでは、警察はゲイバーに頻繁に取り締まりに踏み込み、そこにいた全員の個人情報を記録し新聞で発表することもあった。
ゲイに成りすました警察官がゲイに近づき囮捜査も行われていた。1969年当時アメリカでは、性的指向を理由とする解雇は違法ではなかったし、ほぼ全州において、同性間性交渉を禁止するソドミー法を維持していた。それは驚くことに、たった50年前の話なのだ。
この映画を観ることは、実は、身近なトランスジェンダーのアクティビストからは禁じられていた。
「あの映画は史実に基づいていないから、絶対に観なくいていいからね」
映画が史実と違っているというのは、白人のゲイがまるで主人公のように描かれているから。資料を読むと、ストーンウォールの反乱を起こした中心人物は、黒人の女装、そして、有色人種のFtMだとされる情報が有力のようで、それが彼らの怒りを買ったようだ。
それを知った上で、僕はこの映画をKと一緒に観てよかったと思う。
なぜなら、『ストーンウォールの反乱』なんて、そもそも今の日本で自由に暮らす若者は知らない上に、いったいどんな意味を持っているかなんて考えもしないだろうから・・・。
『ストーンウォールの反乱』がきっかけでゲイパレードが始まり、同性愛やトランスなどセクシュアルマイノリティへの理解が急速に広まっていったのだ。
そして今の僕たち(セクシュアルマイノリティ)の暮らしがあるのは、この『ストーンウォールの反乱』の延長線上と言っても過言ではないだろう。
この映画を観ると、今の僕たちの暮らしが、どんなに幸福かがよくわかる。そして、今のこの状況を築くために、どれだけ沢山の人たちが戦ってきたのかということを想像せずにはいられない。
⭐️ストーンウォールhttp://www.stonewall.website

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