母に会いに。

僕が一人暮らしを始めてから、しばらくして再婚した母は、千葉で暮らしている。
僕の家からだと1時間半くらいかかるので、頻繁に家に行くことはないのだけど、正月なので、母に会いに千葉へ向かった。
玄関には母が庭の植物で手作りした正月飾りがかけてある。
玄関やリビングに飾られた花たちも、水仙に千両、松の枝、椿、蠟梅と、どれも家の庭から摘んできた花たちだ。
お父さんは普段はあまりしやべらず、母と僕が間を空けずよくしゃべっている。お父さんは気を遣って、僕のグラスが少なくなるとすぐに僕に日本酒を注ごうとする。
母「千葉ではね、お正月の三が日は、旦那さんがお雑煮を作って家族に食べさせるらしいのよ。だからこの人、朝は私よりも早く起きて、せっせとお雑煮を作ってくれるの…」
母の人生は、僕の父との結婚では苦労を沢山させられたのだけど、晩年にこの父と再婚したことによって、本当に幸福な毎日になったのだ。
いつまでも健康で、出来れば僕よりも長生きして欲しいと、笑う母の顔を見ながら思ったのだ。

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