Kのいない部屋。

福岡の最終日の月曜日に、そのままKはお父さんお母さん、お姉さん一家とおちあい、一緒に長崎に旅行に出かけた。長崎旅行の後は、実家のある大分に8ヶ月ぶりに戻り、1週間くらい滞在して、来週の火曜日に東京に帰ってくることに。
僕は僕で、およそ8ヶ月ぶりにひとり身になる開放感を予想していたのだ。
「ひとりで2丁目に飲みにいこう!(若い子のいる店にもいっちゃおう!)」
「朝ご飯は作らないでゆっくり寝よう」
「食事も自分の食べたいものだけ作ろう」
「洗濯も時々やればいいや」
「掃除はKが帰ってくる直前でいいかな」
「シーツも最後に洗おう」
月曜日、福岡から会社へ直行して、ものすごい勢いで仕事をして、夜になって『プラダを着た悪魔』と食事をして、家に帰ってドアを開けたら、家はなんだか違っていた。
福岡に行く前に部屋に干してあった洋服をたたむ時に、Kの洋服をたたみながら、言いようのない寂しさが込み上げて来た。
ワインを開けて、飲みながら、その寂しさはどんど大きくなっていって、冷凍庫をしゃがんでKが見ている姿を思い出したりしながら、なんだか泣きたいような気持ちになっていた。
するとKからLINEが入った。
「寂しい?」
「うん。こんなに寂しいとは思わなかったよ」
Kは僕の寂しさを見透かしていたのか、Kも自分自身が寂しさを感じていたのかわからない。でも、ふたりは離れていても、同じ気持ちでいたようだった。
「あああ、早く帰ってこないかな・・・」
カテゴリーgay

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です