合わせ鏡。

久しぶりにKと言い合いになった。
言い合いというよりも、Kが怒って恐ろしい顔をして僕に怒りをぶちまけていた。
僕「また恐ろしい顔になってる…
もうそんな顔は僕の前でしないでね」
K「こんな顔にしたのは、ただしくんです」
どうやら、僕が友人と話していて、友人に放った言葉が甚だ失礼で、Kとしてはどうしても許せなかったらしい。
後で、友人からも怒られたのだけど、僕の言葉が友人を傷つけ、怒らせたことは間違いなかったようだった。
友人に謝り、それを見ていたKは、僕のことを何も言わずに見つめていた。
ほとんど口も聞かずにふたりでタクシーで家に帰り、いつものように手を繋ぐことはなく眠りについた。
そして目覚めると、Kがぎゅっと僕にくっついて来た。
僕は、自分が悪かったなぁと思いながら、Kをしっかりと抱き寄せた。
小さなけんかであっても、けんかにはいつも原因がある。その原因を突き詰めると、僕たちのけんかは、他の人に対する僕の言動が元になっていることが多いことがわかる。
Kはそっと、時には激しく、僕の悪いところを気づかせてくれる。
Kが怒り、恐ろしい形相の時には、原因は必ず僕にあるのだ。
恋人は、合わせ鏡だったのだ。
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