RAINBOW REEL TOKYO 1

チェッカーで(毎回)勝つ方法

ゲイビー・ベイビー

『チェッカーで(毎回)勝つ方法』
両親を亡くして、叔母のところに身を寄せている男の二人兄弟。ゲイのお兄さんは必死に働きながら、弟と叔母の生活を支えている。
ゲイのお兄さんには裕福な家庭の恋人がいて、幸福な毎日を送っているが、そんなある日徴兵制でくじ引きをすることになる。
映画自体は、ゲイの兄を持つ弟の視点で描かれているため、ゲイが主題になっているというよりも、貧しい環境の男と、恵まれた環境で育った恋人の運命の違いを描いていて、なんともせつない。
タイの湿度を感じさせる作品。
『ゲイビー・ベイビー』
今回の映画祭では、いくつかとても素晴らしい作品があったのだけど、その中でもポジティブで、今の空気を感じさせてくれるオーストラリアのドキュメンタリー映画。
自分の子どもを持ちながら男性と離婚して、女性と結ばれ、ふたりで子育てをするビアンカップル。
ゲイのカップルは、5歳の時に養子をもらうが、当時その子は字を書くこともできず、ろくに言葉も話すことが出来なかったが、成長してゆく過程で、家族で努力を重ねながら文字を覚えはじめる。
お姉さんは歌の試験を受けるために必死なのだけど、弟は発作を抱え、そのためふたりのビアンカップルは仕事に外出することもできず、ほとんどつきっきりの生活を余儀なくされている。
トランスのカップルは、ふたりで子育てをしているけど、やんちゃなお兄さんはプロレスに惚れ込み、小さな妹も巻き込んでプロレスを教え込んでいる。
2組のレズビアンカップル、ゲイのカップル、トランスのカップルとその子どもたちが出てくるのだけど、主役はあくまでも子どもたちであり、子どもたちそれぞれの思いや悩みがストレートに語られ表現されている。
LGBTのカップルが子育てをすると聞くと、ストレートの人たちが口を揃えて言うような言葉がある。
「ゲイやビアン、トランスに子どもが育てられるのか?」
「血が繋がっていないのに、家族というのか?」
「子どもたちに、悪影響があるのではないか?」
この映画を見たら、そんな問いかけなんて馬鹿らしく思えるに違いない。
この映画が、いつか日本で公開される日を心待ちにしている。

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