丸裸のゴムの木。

5年前くらい前になるだろうか?
斑入りで綺麗な葉っぱの小さなゴムの木を買って、会社のデスクの上に置いて育てはじめた。
ゴムの木は、ほとんど手がかからず、光さえ感じられればどんな環境でも馴染むため、その後、どんどん成長して、僕の席の目印のように大きくなり、やがて、辺り一帯で一番背が高くなった。
そこで、育って大きくなったゴムの木を、7月の頭に今度は思い切って剪定して、切った枝は家に持ち帰り、挿し木をした。
先日、家で挿し木をした4本のゴムの枝を見ると、新しい芽が伸び始めていて、切った下の枝の付け根から、根っこが伸び始めているのがわかった。
その後、出社するたびに、ほとんど丸裸になってしまったゴムの木を眺めながら、間も無く新芽が顔を出すのを楽しみにしていたのだけど、ここへきて新芽がようやく大きく目立ち始めた。
植物を育てる醍醐味は、こんな風に、生きているものが年月を重ねながら成長してゆく過程をつぶさに見ることが出来ることだろう。
切った枝を土に挿しておくだけで、根っこが生えてまた新しい1つの木として生きてゆくなんて、目の前で、宇宙の神秘を見ているようなものだと思うのだ。
一度は丸裸になった会社のゴムの木が、やがて美しい斑入りの葉を広げる日を、心待ちにしている。

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