桜の季節はまだ終わらない。

一葉

鬱金

福禄寿

新宿御苑の桜の見頃は、ソメイヨシノが満開の3月下旬から4月初旬だと思っている人が多いようだけど、実は新宿御苑では、2月から4月の終わりまで様々な桜が咲き誇っているのだ。
苑内は空いていて入りやすく、きっと中に入ると驚くことだろう。あっ!と声をあげる方もいるかもしれない。それくらい見事な桜が、それも濃いピンクから淡いピンク、緑色まで、花も一重から半分八重、完璧な八重咲きのものまで、多種多様な桜が所々に咲いているからだ。
『嵐山』という一重に見える桜は、八重桜の原種になったような桜。おしべが変形して花びらのように見えるのは、旗弁と言って、後に八重に何百年もかけて変化していった原型の桜。
『一葉』という桜は、どこか気高い桜で、淡いピンクの濃淡と、一重と八重の中間のような花びらがしとやかで美しい。
『鬱金』は、白というより緑色を思わせる萌えるような気品のある桜。この桜は園芸大国のイギリスでも人気がある。
『福禄寿』は、新宿御苑の王者のような桜。大木土門に近いところに、驚くほど大きな燃え盛る濃いピンク色の大木があり、よく見るとそのピンク色は、花によって濃淡があるのだ。
ソメイヨシノが終わって一息ついた頃、ぜひ新宿御苑を訪れてみて欲しい。
「桜とは、私たちのこと…」
とでも言うかのように、完璧な花弁で咲き誇る多様な桜に驚かれることだろう。

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