ふたりで暮らすこと。2

Kが東京にやってきて、3週間が過ぎた。
朝は変わらずご飯を作り、洗濯をして、Kが見送ってくれる。仕事が終わると僕もなるべく早めに帰って来ては、Kを外苑前に呼んだり、伊勢丹に呼んだりして夕飯の材料を買って帰ってきては、一緒に食事を作る。
僕が、なるべく今はKと一緒に過ごそうと努力しているのは、Kがとても引っ込み思案だから。仕事をやめて大分から出て来たKは、東京に友達もなく、東京で暮らすことに慣れるまでには、多少の時間がかかると思うからだ。
ふたりが一緒に暮らしはじめて、改めて気づいたことがある。
『パートナーとは、同じ方向を見つめながら、ともに生きる同志のようなもの』 だということ。
恋愛の初期段階では、見つめ合いながら、お互いの魅力を探すことに精一杯だったものの、月日が流れ1年が過ぎ、3年が過ぎ、パートナーシップが少しずつ築かれていくうちに、ふたりは同じ方向のちょっと先の未来を見つめはじめる。
どちらかが元気のある時は追い風となり、また、弱っている時は毛布のようになり守ってくれる。
それはまるで、遥か昔に感じていた父親の頼もしさだったり、母親のぬくもりに似たものかもしれない。
あなたは、この広い星の上にあって、決してひとりではないのだと感じさせてくれるもの。

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