人生は小説よりも奇なり

今年見た映画の中で、最も心震えた愛しい映画が、ニューヨークのゲイ映画『人生は小説よりも奇なり』だ。
画家のベンは70歳。音楽教師のジョージは50代半ば。ふたりは39年間連れ添ったのち、家族や友人たちが温かく見守る中、結婚をした。
だがしかし、その同性婚が理由となりジョージは職場を解雇され、ふたりが当てにしていた家を売り出すも、税金などが差し引かれ、手元に残ったのはほんの少しのお金だけになってしまう。やがてふたりに、人生で出会ったことのない試練が次々と降りかかる。
『LOVE IS STRANGE』というタイトルからもわかるように、これは、愛について描かれた作品だ。
老齢期にさしかかったふたりは、仕事もなくなり、安住の住み家さえもなくなってしまう・・・。
どんどん窮地に追い込まれていく中で、僕は祈るような気持ちで画面を見つめ続けていたのだけど、彼らから静かに、でもいつもいつも確かに伝わって来たものは、紛れもない『愛』だったのだ。
自分の生活の根底を支えていたと思っていたお金で手に入るものすべてがなくなってしまったとしても、愛さえあれば、人生はなんと心強く美しいことか。
シネスイッチ銀座では、今週いっぱいで終わってしまうようだけれども、絶対に見逃してはならない作品。
★人生は小説よりも奇なりhttp://jinseiha.com

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