リリーのすべて

1930年代、デンマークにおいて世界ではじめて性別適合手術を受けたMtFのリリーの実話に基づいた映画。
観る前から、エディ・レッドメインが出るので気になっていたのだけど、奥さん役のデンマーク人女優アリシア・ヴィキャンデルがアカデミー助演女優賞を取ったので楽しみにしていた。
映画は、30年代のコペンハーゲンを舞台に、美しい映像で進んでゆく。
風景画家のアイナーと肖像画家のゲルダは、恋愛結婚をして互いに愛し合っていた。ある日、ゲルダの肖像画のモデルをつとめることになったアイナーは、自分の中の女性性に気づいてしまう…。
トランスジェンダーなどといった表現がなく、性倒錯者、もしくは、精神病と判断されていた時代に、セクシュアルマイノリティが生きることは、静かに息を殺しながら生きるようなものだったに違いない。
そんな時代においてさえ、自分らしく生きることを選ぼうとするリリーの勇気に胸がしめつけられる。
そして、リリーが女性になることを選んだのちも、リリーをそばで支え続けるゲルダの苦悩を見ていると、人間と人間が結ばれる時に、セクシュアリティというものがどれほど重要なものなのだろうか…と考えさせられてしまう。
ゲイである僕たちに、トランスジェンダーの苦悩はなかなか簡単には理解出来ないのだけど、僕たちもセクシュアルマイノリティであることで、彼らが差別され、苦しんできたということは想像することが出来る。
セクシュアリティとはなんなのかということを今一度考えさせられる素晴らしい作品。
★リリーのすべてhttp://lili-movie.jp/sp/

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