母の強さ。

Kとふたりで暮らすようになって気づいたことは、毎日の日常茶飯事が、いかに大変かということだ。
朝起きて、洗濯を回しながら、お茶を沸かし、ご飯を作る。
植物に水をあげて、Kが起きてきたら、一緒にご飯を食べて、ざっと片づけて仕事に行く。
帰ってきたら、晩御飯を作る。昨日は治部煮だったから、今日は焼き魚にしよう…。毎日毎日、お腹は空くし、同じ料理ではKも飽きてしまう。
僕がまだ小さな頃、時々父と夫婦喧嘩をした母は、どんなに酷い喧嘩のあった朝であっても、僕たちのために朝ごはんをきちんと作っていた。
朝からハンバーグだったり、カツ丼だったり、焼き魚だったり、ナポリタンだったり…一度たりともご飯を作ることを欠かすことはなかった。
今思うとそれは、母が特別料理好きだったということではなくて、僕や兄や父のことを、心からたいせつに思い、愛していたからなのだとわかる。
Kと一緒に暮らし始めて、そんな母の強さを改めて思い知ったのだ。

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