OUT IN JAPAN その後の問題。その2

OUT IN JAPAN の撮影に出てくれた友人のMから突然切羽詰まったLINEが入った。ちょっと元気がなかったので、一緒に晩ごはんを食べることにした。
Mの話によると、Mの会社の自分の部下が事件を起こし、人事部にことの次第を話して目の前で解雇されたとのこと。その時に、人事部長の前でその部下が、いきなり啖呵を切りはじめたそうだ。
「じゃあ、言わせて貰うんだけど、お店やってる人が、ネットにこんな写真晒していいんですか?
会社に迷惑かけてるし、こういうことは、お客さんも嫌悪感をもつ人いるんじゃないんですか?」
そう言って、『OUT IN JAPAN』のMのページを人事部長に目の前で見せはじめたそうだ。
ひとしきりその画像を見た人事部長は、「会社的には、そのような活動をすること自体、全く問題ないし、そもそもこの活動と今回のあなたの処分には、なんの関係もないですよね」という冷静な対応だったようだ。
知識がないのはしょうがない。戦後、日本の社会では、セクシュアルマイノリティの存在は、ほとんど知られていなかったか、変態のような扱いをされ続けてきたからだ。
でも、Mを陥れようと思ったのか、彼が腹いせのように人事部長に暴露するという行為から見えるものは、彼の中にあるホモフォビア(ホモを嫌悪する気持ち)だろう。
それは、彼の中に、ゲイ的な要素があるから、それを自分では認めたくないために起こっている憤怒なのかもしれない。
同性愛に対して極端な憎悪を持つ人は、たいてい自分の中の同性愛的要素を受け入れられずにいることが多い。もし、彼が同性愛に対して、なんの興味も関心も持っていなかったとしたら、ただ気に留めないか、無視すればいいだけの話だから。
いずれにせよ問題は、Mにあるのではなくて、彼の中にあるということだろう。
OUT IN JAPAN の活動を通して、このような問題が浮かび上がるのは、僕が知る限りこれで2件目だ。1件目は、以前ここに上げた、学校の先生が、校長先生に、「今すぐOUT IN JAPAN のあなたのページを削除するように!」と言われたこと。
これも明らかに、校長先生が知識がないから、あるいは、校長先生が今まで受けてきた間違った教育のせいなのだろう。
こうした問題が浮上することは、当事者にとっては快くないことだけど、改めて問題に気づかせてくれるという点においては、とても重要なことだと思う。
日本中いたるところにおいて、この手のことは未だに普通に起こっていることなのだろう。
カテゴリーLGBT

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