雪の残る東京で。

夜に降りはじめた雨は深夜に雪に変わり、朝起きると雨に変わっていたものの町中が白く積もっていた。
10時にクライアントで打ち合わせがあったので、1.5倍くらい多めに時間の余裕を見て早めに家を出た。乗り換えの時に、なんでこんなに人が多いのだろう・・・などと思いながら、てくてく歩いてクライアントに着いた。
早めに着いたのでコーヒーを飲みながら会社のメールをチェックすると、10時からの打ち合わせが8時過ぎに突然リスケになったことを知らされた。電話も来ていたようだけど、鞄に入っていたため気づかなかったようだ。
がっくりしたけれども、また歩いて駅に戻り、会社へ向かう。
ネットを見ると、こんな雪の日に会社へ遅れないようにと向かう日本のサラリーマンのことを、「どんだけ社畜なんだ?」などと馬鹿にするような記事が載っていたのだけど、そんな記事をみながら、「あ・・・僕のことだ・・・」と思った。
僕は、こんな日であれ、打ち合わせの時間に間に合うようにと仕事へ向かう人たちが好きだ。
そもそも、ただの雪ではないか。
実際に朝には雨に変わっていたし、少々歩きにくかったり、電車が間引き運転をしていたりして駅は混雑していたけど、これくらいの雪で仕事をあきらめる気が知れない。(そもそも、金沢や北海道やモントリオールだったら、こんなの雪のうちに入らないだろう)
東京に雪が降ると、普段では見えない光景が見える。
交通機関に勤めている人たちは、細かな神経を使いながらも本当に一生懸命働いていた。
電車を降りて、改札へ向かう道はものすごい人だったのだけど、みんなが焦る気持ちを抑えながら、幾列もの人々が周りに気を配り静かに譲り合い、列の数を縮小していた。
自分の仕事場へと急ぐ人の群れを見ながら、僕は、「社畜」とは全く違う印象を持つことが出来たのだ。

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