忘れられない恋。

とんぺい焼き

お好み焼き

モントリオールから、JFが日本にやって来た。
JFは、52歳くらいだろうか。フランス系カナダ人で、カナダでは有名な敏腕弁護士さん。
Kとふたりで高島屋に買い出しに行き、簡単なつまみと日本酒を用意して、夕方、JFとXを家に招いた。
その後、外苑西通り沿いの広島お好み焼き屋『東』へ。
お好み焼きは、白人の場合好き嫌いが分かれる食べ物だと思う。前回アメリカ人の友人とお好み焼きを食べた時は喜んでくれたけど、フランス系のJFは、いまいちダメだったみたい。笑
JFは、僕とKのこれからの新しい暮らしの話を聞きながら、羨ましそうに、そして、まるで昔の自分の恋を思い出したようだった。
JFがまだ若かった頃、中国系カナダ人とJFは長いつきあいをした。
ふたりは一緒に暮らし、すべてか薔薇色に見える生活を長い期間経験して、やがてお互いの相違から別れることになってしまった。そしてそれは、泥沼のような別れだったと言う。
その後9ヶ月の間、JFは喪失感の中で泣きながら暮らしたそうだ。朝起きても涙が頬をつたい、夜眠る時も泣きながら眠りについた。
友人や家族たちの助けもあり、次第に回復していったものの、今でもその傷が残っているようなのだ。
JF「ただしさん、あなたたちを見ていると、私が若かった頃の恋愛を思い出します。私は彼との恋愛の後は、もう誰も心の底から愛することが出来なくなってしまいました…」
モントリオールでは、一緒にゲイバーやストリップ劇場に行って夜通し騒いだ底抜けに明るいJFにも、僕の知らないところに心の闇が潜んでいたのだ。
僕「別れてしまったのは確かだけど、でもJF、彼との間には、幸せな思い出もたくさんあるんでしょう?
かけがえのない思い出があるんだから、それだけでいいじゃん」
人間とは、なんて繊細な生きものなのだろう。
ひとりでは生きられず、誰かを好きになり、身を焦がし、時には酷く傷ついてしまう。
そしてその痛手はなかなか癒えることなく、笑顔の奥に悲しみを抱えながら生きているのだ。
JFが、いつか自由になって、次の恋愛に向かえる日が来るのを願っている。
★東https://m.facebook.com/okonomiyaki.azuma/
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