トロントから、台湾人のBがやってきた。

蛸のフライ

僕の昔からの台湾人の友人Rの友達で、どこで誰が見てもゲイだとわかるBは、ある意味インターナショナルゲイだ。
僕がトロントに遊びに行った時に、はじめて会ったのだけど、背が高く、歯は真っ白で、笑うと幼さの残る笑顔がかわいい。Bは、トロントの大学を出て、金融関係に勤めている。
今回、台湾の高雄に住むご両親に会うために帰って来たついでに、大好きな東京に寄ったそうだ。なんの前触れもなくいきなりLINEが来たので、時間を作って新宿でご飯を食べることに。
せっかく日本に来たのだから、『THE 居酒屋』がいいと思い、『鼎(かなえ)』へ。
『鼎』は、魚が美味しく、出汁巻き卵や蟹味噌、カキフライなど、どれを食べても美味しい老舗の居酒屋。連日サラリーマンで賑わっている。
Bの友達の台湾人と、若い日本人の子も一緒に来ていて、みんな何かを食べるたびに、「美味しい!」という感嘆の声が上がった。
Bは、あと2年したら台湾に帰るそうだ。ご両親が65歳を超えるので、近くにいてあげたいと言う。
B「僕の母は、とても保守的だから、未だに僕に女性と結婚しろと言うんです。先日も、知り合いの娘さんのお見合い写真を持っていて、僕にこの娘なら安心だと言って結婚させようとするんですよ…」
僕「えー!だってBなんか、見た瞬間にゲイだってわかるのに、お母さんたちには言ってないの?」
B「母には、どんなことがあっても絶対に言えません。もしそんなこと聞いたら、無理矢理結婚させられちゃうかもしれません」
僕「でも、いくらお母さんのためとはいえ、Bは、女性と出来るの?」
B「あそこを見ることさえ出来ないのに、出来るわけないでしよ!」
台北に行くと、石を投げるとゲイに当たるんじゃないかっていうくらいに町中ゲイで溢れかえっているのだけど、Bのような超オネエさんでありながら、両親に対しては完全なクローゼットだと言う人は意外と多いようだ。
アジア特有の親子の濃密な関係性は、強い絆と愛情に満ちている反面、決してその愛に背いてはいけないと思わせるほどの重たい鎖のように感じることがある。
自分の思うように生きたほうがいいよという僕に、最後まで「それはできない。僕は、父と母のために生きるんです…」と言うB。なんとも複雑な気持ちになったのでした。
★鼎
03-3352-7646
東京都新宿区新宿3-12-12 B1F
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000879/
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