日曜日のラーメン屋さん。

引っ越し当日、あしたのジョーのように真っ白になって、何とか無事に終わった夜、キッチンがまだ使えないこともあり、近くのラーメン屋さんにご飯を食べに行った。(僕がラーメン屋さんに行くことは、かなり珍しいのだけど)
すると、僕の前に小学生5年くらいの男の子と二つ下くらいの女の子、そしてお父さんが座った。
三人は餃子を食べながら、お父さんはチューハイを飲んでいて、子どもたちはコーラを飲んでいた。
やがて、それぞれ違うラーメンが次々に運ばれて来ると、三人はとてもうれしそうな顔をした。
お父さんは、ラーメンに半チャーハンをつけていて、娘さんはつけ麺にしていた。
家族三人でうれしそうにご飯を食べる姿を見ていたら、父のことを思い出した。
実際に父と暮らしたのは、小学校までなのだけど、今でも時々、子どもの頃の父のことを思い出す。
父は、母との結婚はうまくいかなかったのだけど、兄と僕のことは、目に入れても痛くないくらいにかわいがっていた。
小さな頃は、週末に父とよく海や山に遠出することが僕たちの一番の楽しみだったのだ。
父と母が離婚して、母と僕だけが離れてから、父は寂しさを抱えながら生きていたように思う。
日曜日のラーメン屋さんで、たまたま目の前に座った三人家族の光景を見ながら、あまりにも幸福そうな姿に目がじんわりと潤んできた。
お父さんは、ふたりの子どもをとても愛していたのだ。
目の前の家族を見ながら、僕の父の愛情を温かく思い出した。

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