物。

今回の引っ越しで、家の中のすべての物を白昼のもとにさらけ出して改めて見て思うことは、
「どうしてこんなに沢山の物を持っているのだろう…」ということだ。
普通の単身の引っ越し料金は、だいたい平均6万円だと読んだことがある。僕の見積もりは、高いところでは30万を越えていた…。(苦笑)
その違いは何なのかと、じっくりと家の中の物たちを眺めてみると、本とCDと食器と植物と、大きめの家具だということがわかる。
ほとんどの物は、それを買う時に一番高い。
そして悲しいかな、手に入れた途端に値段は下がり始める。それは残酷なほど。
高かったスーツも、売る時は1/100くらいになってしまうし、2000円したけど読まなかった本は、手放す時には100円にもならないのだ。
沢山の物を前にしながら、自分が今までにどれだけ多くのお金を無駄につかって来たのかがわかる。
それとともにうれしいことは、そんなに多くはないのだけれども、心の底から、「ああ、これは買って本当によかったなあ…」と思う物があることだ。
買った時に、その大きさゆえに階段から入らずに(笑)、クレーンで吊り上げたソファ。
無垢材のテーブルやセンターテーブル。
ハンス・J・ウェグナーのYチェアと、イージーチェア。特に、イージーチェアはずっと迷っていたが、買って本当によかったと思っている。
アンリ・クイールの革製ソファ。
MIELEの冷蔵庫。
コンランで買ったアメリカンチェリーの洋服ダンス。(今回の家には収納があるので、分解して使わずに置こうかと迷っているが、愛着があり絶対に手放したくない物の一つだ)
POLIFORMのベッド。
イタリア製のリネン類。(高価だったけど、もう20年近く使っている)
ミニマムな暮らし方にも憧れるけど、僕は、ともに人生を重ねていけるような物が好きだ。
どのように生きたとしても、いつかこの世を去る時に、すべてを手放す時が来るのだ。
それまでは、自分の好きな物に囲まれて、時々傷つけてしまったり、修理したりしながら、一緒に暮らしていきたいと思う。

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