柿。

母から電話が午前中に来た。
「柿を送ったから、今日の夕方そちらに着きます。うちの柿は甘いのよ・・・唐揚げも入れておいたから・・・」
クロネコヤマトは、このごろ、その日のうちに配達するようになったようだ。アマゾンといいクロネコといい、いったいどんなシステムなのだろう・・・
思えば、『柿』というものを、店頭で買ったことがない。自分から敢えて面倒くさそうで買わないのもあるが、お店にある時期も限られているからか。
夕方になり段ボールが届く。開けてみると、いびつな柿がいくつか入っていた。
母は、素朴な人だ。
人や物事を疑うことをせず、逆境にある時もあるがままの境遇をそのまま受け入れて生きて来た。エキセントリックだった僕の父と別れてから、今の旦那さんに出逢い、今では平穏な毎日を送っている。
柿を剥いてみると、驚くほど甘かった。自然に木になったものが、なんでこんなに甘いのだろう・・・。
母のような人はきっと、幸せが何かを知っているのかもしれない。
デパートには並ばないような、いびつな柿を手にしながら、そんなことを思った。

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