ゲンちゃん。

今から15年くらい前だろうか、二丁目の新千鳥街の中、ぺんぺん草の向かいに、伝説的なバー『GEN PAPA』があった。
狭い店内にムキムキやらガチムチ系の男たちが集まり、トイレの中は外国のゲイポルノ雑誌から取られたヌード写真が張り巡らされていた。
マスターはゲンちゃんで、身体を鍛えて、レザーやら、袖を切ったネルシャツやら、ゲイゲイしいコスチュームでお客さんの気分を盛り上げていた。
なんでGEN PAPAという風にパパがつくのかというと、ゲンちゃんは昔は女性と結婚していたことがあって、子どもがふたりいたから。
週末はあまりにも人気で、お客さんがぎゅうぎゅうになって入れない…なんていう状態のまま7年間営業をしたのち、ゲンちゃんが身体を壊したこともあり、閉店となったのだった。
そのゲンちゃんが、もう一度お店をはじめようと思い、身体を鍛え直していると聞いたのは、ここにも書いた少し前のこと。それからどうなったのかな…と思っていたら、『MAGMAG』という店で火曜日だけ、一人で入ることになったそうだ。
お店を覗くと、元気なゲンちゃんが迎えてくれた。
ゲンちゃんとは、その昔、僕が当時つきあっていたMと一緒に、修善寺や京都など、旅行に行ったことがある。当時の話を懐かしくしながら、今となっては亡くなってしまったMのことをふたりで思い出した。
大病を患ったゲンちゃんが、数年を経たのち、今こうしてもう一度お店をはじめようと思ったことが、僕にとってもとてもうれしいのだ。
人生、山あり谷ありだけど、またこうして内側から輝くようなゲンちゃんの姿を見ながら、お酒をゆっくりと傾けた。
★MAGMAG(MAG2と小さな2がサインになっている)新千鳥街。AiiRO CAFEの右側を入った通りに面した2階。http://magmagtokyo.web.fc2.com
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