おもと。

二丁目の『ぺんぺん草』で飲んでいて、今年69歳になるマスターのひろしさんと、『年をとって、仕事をやめたあとにやりたいことってなんだろう?』という話になった。
ちょっと考えを巡らせたあとに、ひろしさんは、
「おもとが好きなの…」とポツリと呟いた。
僕「おもとって…あの、万年青?よく日本の庭先の日陰にある陰気な葉っぱの万年青?」
ひろしさん「そうよ。わたし、おもとを育てていたいの…」
僕「昔から、デパートの屋上の園芸売り場で、なんで万年青なんか育てる人がいるんだろう…?って思ってた。花も咲かないし、せいぜい赤い実がなるくらい?」
ひろしさん「葉っぱが好きなの…白い根っこに水を当てて、きれいにしてあげるの…その下には苔がびっしりと生えていて…」
年をとると、
花が好きになり→盆栽が好きになり→山野草が好きになり→苔が好きになり→最後に石が好きになる
と言うけど、そんなものだろうか?
酔っているからか、ひろしさんは、万年青の話をしながら、万年青の深い緑を思い浮かべているのか、気味が悪いくらいずっとうっとりとしていた・・・。
万年青でも、苔でも、なんでもいいからたくさん育てて、100歳になっても『ぺんぺん草』をやっていてほしいものだ。
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