F t M のこと。

僕が、あちこち旅行ばかりしている間に、実は、『OUT IN JAPANhttp://outinjapan.com』の第二弾の募集があり、撮影の段取りが進んでいた。
帰国後、初日の撮影をしている時に、「どこからどう見ても男だろ…」という髭面の男前が、実はFtM(female to male)だとわかり、「え〜!」と驚いたのだけど、もっと驚くことがその先にあったのだった。
彼は左手の肘から下を骨折をしたような防具をつけていたので、怪我でもしたのかなと思っていたのだけど、レスリーとのやりとりで、その防具が外されたら、腕の中に長い穴が一本、貫くように空いていた…
それはなんと、尿道を作っているところだったのだ。
一年間をかけて尿道を作り、一年経たのちにその周りごとペニスとして移植するということだった。その際に、足りない皮膚は、お尻などからも移植して、より完璧なペニスにするとのこと…。(ただのオカマの僕は、聞いただけで気絶しそうだった)
その後また、「こりぁ、どこからどう見てもヤンキー風粋なおっさんにしか見えないなぁ…」というFtMの人が来て、その人はすでに、ちゃんとペニスがついているとのことだった。その人の場合は、足のふくらはぎで尿道を作ったようだ。そしてその人曰く…
「俺のは刺青入りなんですよ。刺青って言っても、おちんちんの色に見えるように、亀頭はきれいなピンクにして、下の方は使い込んだように黒くなってるんです…。
銭湯でも温泉でも、誰が見ても本物のおちんちんとしか思わねえと思いますよ…」
そんな話を聞きながら、僕は彼らのことを、まだまだ何にも知らないのだなあと思い知ったのだ。
いつも驚かされることは、そんな話をする時の彼らの率直さだ。
それは、痛かったとか、辛かったという苦労話というよりも、僕たちの驚く顔を見ながら、笑い話のように仕立ててしまう彼らの強さであり、懐深さだ。
カテゴリーLGBT

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