挫折のあとの道。

このところ、ジムとは別に通っているトレーニング施設(テコセンター)で、時々身体のメンテナンスをしてもらっている。
そこは、大学生の野球選手やプロ野球選手、社会人フットサルの選手、プロのバトミントン選手なんかがトレーニングに来ていて、身体のトラブルの治療もおこなっている。メンテナンスとパフォーマンスは両面のように繋がっているのだ。
渡辺さんという人に僕はいつもやっていただくのだけど、体重は100キロを越えていて、大きな熊のような29歳の男性。他の人とのマッサージの違いは、力がとても強く大きいことだろう。そして大きな声で笑うのだ。「がはははは!」
それでいてマッサージは的確で、今後僕がどのように身体を正しい姿勢、正しい動きにしていったらよいのか、丁寧に導いてくれる。
先日、マッサージをしながら話をしていたら、渡辺さんがこんなことを言った。
渡辺さん「僕は、めちゃくちゃラッキーな男なんですよ。」
僕「へー、なんでそんなにラッキーなんですか?」
渡辺さん「僕は、ずっと野球やっていたんですけど、ある日身体を壊してしまって、野球をやめなくてはいけなくなったんです。そして、普通にサラリーマンをやったんですけど、これは続けていけないなあ・・・と思っていたら、知り合いの野球選手が塩見さんを紹介してくれたんです。」
僕「へー。塩見さんって、あのクマみたいな人だよね?僕が勝手にジャイアンと呼んでる」
渡辺さん「はい、塩見さんは、すんごい人なんですよ。スポーツ業界でも有名な人で、野球を本格的にやった後、高校卒業後アメリカに渡り、スポーツに関する身体の仕組みや動き、治療を学んで、帰国後はプロ専属で働いていたような人なんです。」
渡辺さん「それで俺はこの道に入ることが出来たんです。すんごいラッキーでした」
僕は、渡辺さんのマッサージを受けていると、「この人、天職だな・・・」と思ってしまうほど素晴らしいと思うのだけど、それにはきっと、自分の知識や施術を信じていて、身体をなんとか治したいというまっすぐな思いがあるからなのだろう。
野球がすべてのように生きて来た人が、身体を壊して味わった挫折感は相当なものだと思う。
でも、そこからまた、人生は続いてゆくのだ。
渡辺さんのように、もう一度そこから自分が生きる道を探りあてた人は、更に一回り大きくなって、しなやかに、強靭に、人生を歩いて行くことが出来るに違いない。
子どものようなでっかい笑い声を聞きながら、そんなことを思ったのだ。
★テコセンターhttp://tecocenter.jp
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