劇団ぺんぺん。

新宿二丁目に、『ぺんぺん草(以後ぺんぺん)』というお店があって、開店してからもう37年を迎える。
お店がオープンしてから10年経った時に、マスターのひろしさんはお客さんと遊び半分で芝居をした。そしてそれからなんと、26回も芝居を毎年公演してきたのだ。
ぺんぺんの芝居は、『真夜中のパーティー』から始まり、オリジナル作品があり、和物があり…正直くだらないなぁと思うものばかりなのだけど、中ではオリジナル作品の『TAKE FIVE』のシリーズはとても面白く、笑あり、涙ありで、僕にとっても忘れがたい作品だ。
『TAKE FIVE』のシリーズは、二丁目の小さなゲイバーが舞台になっていて、そこのゲイバーで起こるお客さんたちとのやりとりや事件が面白おかしく脚本となっている。
僕たちからすると、ゲイってなんて身勝手で、虚栄で、自分のタイプには目がなくて、いつも恋愛したがっていて、欲望に溢れ、涙もろく、滑稽な生き物なのだろう…と思ってしまうけど、実際にゲイバーの中から客席を見ていたら、本当にゲイの会話は芝居のように面白いのだろうと思う。
ひろしさんは、自分の目の前で起こっているゲイバーの日常のシーンや会話を繋ぎ構成することによって、新しい二丁目ならではのゲイ文化を作ることに成功したのだ。
そんな僕にとっては愛おしいぺんぺんの芝居も、残すところあと4回限りで終了になるという。あと4年やったら丁度30回を迎えるので、それでキリよくおしまいにするらしい。
(自称)68歳のひろしさんも、そろそろいいかなと思ったようだけど、側から見ている限りは、まだまだ元気だし、死ぬまで芝居を続けて欲しいと思うのだが…。
願わくば、31回目に、昔の懐かしい『TAKE FIVE 早春』を、もう一度観たいものだ。
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