まずは、ゲイの友だちをつくりなさい

僕の妹でもあるGの書いた本が出版された。
この本を新幹線の中で一気に読んで一番驚いたことは、書かれているほとんどの話を、僕はすでにGから聞いて知っていたことだ。まあ、それだけ多くの時間、一緒にいたのだろう…(彼の幼少期や学生時代の話の中には、ほんの少し知らない話題があった)
LGBT初級講座というサブタイトル通り、また頭脳明晰なGらしく、多様なセクシュアリティの解説から始まり、二丁目やレインボーフラッグの意味、LGBT関係の用語解説もとてもわかりやすく書かれている。
この本の醍醐味は、Gの実体験をもとに描かれるあるひとりのゲイのカミングアウトストーリーだろう。
『自分へのカミングアウト』から、最大の難関である『家族へのカミングアウト』、そして、『社会へのカミングアウト』と続いていく構成はわかりやすく見事だ。
また、Gの家族を通して語られる人生の本質を捉えた言葉の数々は、読む人の胸にいつまでも残るかもしれない。
LGBT当事者が読んでも、またその周りにいるアライが読んでも共感でき、読み終わった後に、何か明るくポジティブな気持ちになる素晴らしい内容だと思う。
LGBTのことを全く知らないストレートの人たちが読んだら、LGBTって意外と生きていくだけで大変な人たちなんだなあと思えるだろう。
それにしても読み終えて尚、『まずは、ゲイの友だちをつくりなさい』の『え?なんで?』の部分は不明のままだが(笑)、このタイトルが気になって手に取るストレートの人たちがたくさんいるであろうことを願う。
★まずは、ゲイの友だちをつくりなさい
松中 権
講談社➕α新書
カテゴリーbook

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