Nに会いに、和歌山へ。2

暖かい青空が広がる中、鄙びた駅を降りると、辺りは遠く山々に囲まれていた。
山の中にある古いお寺に着いたら、静かに風が吹いて、鳥がさえずり、大きな木が豊かに枝を広げていて、なんとも言えない山のいい匂いがした。
「会いに来たよ。N。いいところをえらんだね。」
お墓に着いて、シャンパンを開けて、家から持って行ったグラスで乾杯をした。
Nの好きだったお弁当を広げ、僕もお弁当を食べながら、心ゆくまで話しをした。
お墓になんか、もうNはいないのかもしれない。でも、そんなことは僕にはどうでもよかったのだ。
自分でも、「どんだけドラマクイーンなんだろう…」と思うけど、もし僕がNより先に死んだら、きっとNも僕と同じことをしたと思う。
「そばにいられなくて、ごめんね」
「愛しているよ」
「ありがとう」
人は、死んでしまったら、いったいどこに行くのだろう?
本当のところはわからない。でも僕はまた、来世なのかどこかでNに会えると思うことが出来る。
帰り際、お寺を振り返ると、もう一度山のいい匂いがした。
胸いっぱいに吸い込んで、「また、会いに来るからね」とNに言った。
※Nの訃報が二丁目に流れたのと、この、個人的なこともなんでも書いちゃうブログにより、友人たちから様々なメールをいただいた。
「ハグしてあげたい」
「ユーミンの曲「夜空でつながっている」を聞いてみて」
「早く元気を出して」
「終わりじゃなくて、状況がほんの少し変わっただけだよ」
「これからは僕が姐さんを守ります」
夕飯や飲みの誘いなど、友人たちの温かい気遣いに励まされ続けている。
僕は、大丈夫です。時間がかかるかもしれないけど、少しずつ立ち直ります。
この場を借りて、もう一度大好きな友人たちに感謝の気持ちを伝えたいと思う。
ほんとうに、ありがとう!
カテゴリーgay

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