親戚のおじさん。

週末にKがやって来たのは僕に会うためではなくて、学生時代のノンケの友達と二人で熱海に旅行するのが目的だった。大分には別府や湯布院があるのに、なぜにわざわざ熱海に来るのか?と疑問に思ったが、熱海にどうしても行ってみたいそうだ。
友達よりも1日早めに東京に入って僕の家で一泊してから、熱海で広島からくるノンケ君に合流して一泊した後、今度は二人で東京を観光するという予定。
東京のホテルはこの時期とても混み合っているようで、なかなか希望の安いホテルが取れなくて、Kは僕にホテルの予約を頼んできた。
なんとかお茶の水のホテルが取れて、東京ではKだけ僕の家に泊まることにしたのだけど、ノンケ君には僕のことをなんて言ってるのかと聞くと、
「親戚のおじさんの家に泊まると言ってある」と、返事が返って来た。
「ホテルも親戚のおじさんが取ってくれるって言ってある」
「なんで東京に住んでいるの?とか聞かれたらどうするの?」
「本家に婿養子に入ったけど、離婚して東京に住んでるおじさん」と答える。
これは以前、福岡の寿司屋さんで二人の関係を聞かれた時に、Kが咄嗟に思いつきで話した僕たちの相関図だ。
16歳違いの男同士が一緒にいること自体、よくよく考えると世間ではあまり見かけない光景だし、保守的なKからしたら、変な疑いをかけられることをとても気にしているようだ。
そして僕は、そんなふたりの微妙な年の差に対して、他の人たちが反応すること自体、とても面白いと思っている。
時々、お揃いの靴とも取れるニューバランスを二人で履いていると、電車なんかでも足元を見られる気がする。
僕はそんな人たちの顔を見ながら、ニッコリと微笑んでみたくなる。
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