スタジャン。

その昔、二丁目のバーで飲んでいて、赤ワインを全身にかけられたことがある。
「この、クソ女!」という罵声とともに、ワインボトルごとぶっかけられた僕を思い浮かべた方もいるかもしれない(まるで映画『疑惑』のように)。
でもそうではなくて、酔った友人がつまづいた時に、友人が持っていたグラスになみなみと入った赤ワインが僕の全身に浴びせかけられたのだ。
その時に着ていたのがこの写真のスタジャンで、ボディの部分は紺色なのだけど、白い腕の部分は柔らかい山羊革で出来ている。
さすがにこれは、クリーニング屋さんでも落ちないだろうな…と思ったけど、ISETANのメンズ館8階ウォータークリーニングに持って行った。担当者は、紫色にまだらになったスタジャンを眺めながら、とにかく現場の者と相談してみます。と言った。
数日後、担当者からお電話いただいたのだけど、
「袖の山羊革の部分は綺麗に染色をし直して、ボディの部分は落とせると思います。お値段は3万円です(正確には3万に近い金額)」と言われた。シミ抜きに3万円?と思ったのだけど、この『beautiful people』のスタジャンを僕はとても気に入っていたので、そのままお願いした。
数週間後、ワインをかけられたことなどまるでわからない状態のスタジャンが出来上がり、改めて『ウオータークリーニング』の凄さを思い知ったのだった。(最近、修理とかシミ抜きとか、ばばあネタが続いていますね・・・)
このスタジャンを着ていると、なぜか時々「かわいいですね」「今日は野郎っぽいですね」などと声をかけられる(いつもはどうなんだろう?)。スタジャンは、『男の子っぽさ』をぎゅっと凝縮したようなアイテムなのかもしれない。
少しずつ季節が春へ向かうこの時期に、僕はよくこのスタジャンを着る。スタジャンを着ると、ちょっとワクワクする。
※スタジャンを選ぶ基準は、アームが細く、身幅もタイトなものがよいと思う。本物のスタジャンを着てしまうと、ただの体育会系熱血おじさんになってしまうから。

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