ラブストーリーズ(コナーの涙)(エリナーの愛情)

テレンス・マリックの名作『ツリー・オブ・ライフ』で鮮烈なデビューを果たした女優ジェシカ・チャステインが出ている恋愛映画と聞いて張り切って出かけたら、なんと二本立てだったのです。
ジェシカ・チャステインとXMENのジェームズ・マカヴォイが夫婦役で、物語は二人の恋愛をジェシカの視点バージョン(エリナーの愛情)、そして、ジェームズの視点バージョン(コナーの涙)という別々の映画になっている。
ニューヨークで幸福な恋愛で結ばれ結婚をするふたりは、やがてある出来事をきっかけに関係が変わってしまう。映画は、なんとかしようと精一杯にもがき続ける、まったく違う人間にそれぞれ焦点を当てている。
まるで、小説を読んでいるような不思議な感覚でストーリーを追い続けたのだけど、面白いことは、ふたりが言うセリフや見えている状況が、ほんの少し違っているところだ。
出来事にはきっとひとつの真実などなくて、それをどう捉えるかによって見え方が違ってくるものなのだろう。
よく物事の捉え方の違いを、男の考え方と女の考え方の違いなどと解説している例も多いようだけど、僕自身は、男女の差異よりも個人の差異の方が遥かに大きいように感じている。
この映画も、男女の考え方の違いなどという単純なものではなく、それぞれのパーソナリティーであり、生き方や考え方の違いなのだと思って興味深く僕は観ることが出来た。
映画としては、凄い感動作というものではまったくない。でも、小説を読むのが好きな人なら、物語の中に入って心地よい時間を過ごせるかもしれない。
僕は、エリナーの気持ちや行動がなかなか理解出来なかった。どちらかというと、僕はコナーに似ているのだと思う。あなたは、どちらだろうか?
脇役も、ウイリアム・ハート、イザベル・ユペール、ヴィオラ・デイヴィス…凄まじい名優ばかりだ…
★ラブストーリーズ(コナーの涙)(エリナーの愛情)http://bitters.co.jp/lovestories/

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