小さな春。

得意先から会社に戻ると、
入社3年目の後輩が声をかけてきた。
「Tさん、バレンタインなので、これを」
袋を開けてみると、
見たこともない八重の桜が入っていた。
僕が、甘いものを食べないことを知っていて、
この桜を選んでくれたのだろう。
仄かなピンク色の花びらは、幾重にも重なり、
開きかけの蕾はふんわりと温かい。
小さな春が、やって来ました。

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