fanni lemmermayer

ファンニ・レマメイヤーは、1877年創業のウイーンの老舗ニットメーカー。鮮やかで多彩な彩りのアルパカのセーターは、僕ももう20年くらい愛用しているだろうか。
このニットの良い点は、生地が厚すぎないため、夏を除き年間を通じて活躍してくれるところ。カジュアルにも、ジャケットの下にも着れるデザイン。また、カーディガンなので着脱が容易であるため、飛行機に乗る時なども便利だし、脱いでもかさばらないところ。そしてなによりも、このカーディガンを着ていると、人の印象に残るようだ。
このカーディガンは、僕の一つのトレードマークのようにもなっていて、鮮やかなレインボーカラーは、19色もある。このブランドはこの色彩豊かな糸を、世界一多様に持っているとも言われている。
一つ弱点をあげるとすると、ニットが少し起毛しているため、注意していないと尖ったものなどにひっかかることがあるということ。僕も長く着ている間に左腕の後ろをひっかけてしまい、色と色の境目が4センチくらい開いて、先日修理にお願いしていた。
大阪のニットの修理専門店から電話がかかって来て言われたことは、「ここは、顕微鏡で見ながらひとつひとつ繕っていくので、そうですね・・・それをすると8000円かかります・・・」「もっと簡単に仕上げることもできますが、どうなさいますか?」
そう言われて、8000円の修理をお願いしたのだけど、他に飛び出ている所や送料も含めたら13000円もかかってしまい、「これなら新しい別のニットも買えたなあ・・・」という思いが頭の中をかすめた。
修理がようやく出来上がり、届いた包みを開けて見ると、驚いたことに、どこを直したのかまったくわからないくらい綺麗になっていた。
気に入った洋服を、長い間ずっと着続けることが出来るということは、幸福なことだと思う。
僕がいつか60才になった時でも、今と同じようにこの気狂いみたいなカーディガンを着ていられますように・・・。
★山田洋服株式会社(修理)http://www.onaoshiya.net

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