台湾から、カップルが来た。

Eは42歳、Rは35歳、台湾人のゲイカップルだ。
昨年の台北パレードの時に、ホテルの予約からパーティーのオーガナイズまですべて引き受けてくれたEは実業家で、間も無くリタイアすることを考えている。
Rは、台北のパン屋さんでパンを焼いていたのだけど、今回、お菓子作りを学ぶために代官山のル・コルドンブルーに1月から入学した。
Rの通うル・コルドンブルーの勉強は、かなり厳しいらしい。定期的に試験があるので、それに合格しなければ次のステップに行けないとのこと。
Rは、シャイで笑うと目がなくなってしまう愛くるしい顔をしている。身体はがっちり筋肉質。それでいてとても素直な性格で、僕が年上のせいかとてもなついてくれている。
Rが日本に来て一人で暮らし始めてから、学校のことや暮らしに不備はないかなどLINEでやりとりしていたのだけど、1月の週末は僕があっちこっち行ってなかなか会う機会がなく、今回Eの来日に合わせてやっとイロドリでご飯を食べることができた。
EはシャイなRの性格を気遣って、Rが席を立った後に僕に、「Rはシャイだから、自分から連絡しないんだよ。ただしを煩わしてはいけないと思っているんだ」と、東京生活を心配するお母さんのように言ってくる。RはRで、ストイックな性格でもあるので、学校が終わると、真っすぐに家に帰って来ていたという。
Eは、Rの学校がある間、毎月東京に様子を見に来るようだ。学校が終了してから先のことは決めていないけど、Eはリタイアをしたら東京でしばらく暮らしたいと言う。そのために、東京で家を買おうと思っているところ。
いつかRのお店を開けたらいいなぁという話になった。
「この神宮前二丁目界隈に引っ越して来たらいいのに。イロドリのそばでお店もやればいいじゃん!」と、横から僕の妹のGが口を挟んだ。
「そして、みんなで一緒に暮らせる場所を作ろうよ!」
国境も越えて、友人たちが少しずつこの町に集まって来る。僕たちにとって暮らしやすい町を、この神宮前に作れたらいいなぁ…とぼんやりと夢見た夜でした。
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