時差ボケの魅惑。

『アメリカやカナダは行った時につらい。ヨーロッパは帰って来た時につらい』と一般的には知られている。
今回旅行したカナダの東海岸と日本との時差は、この時期マイナス14時間(日本の時間に2時間マイナスして昼夜ひっくり返す)。ニューヨークなども同じなのだけど、いつも夕方頃に激しい睡魔に襲われる。
昔はよくこの時差に抗っていた。「その土地に着いたらその土地の時間だ!」と思いこませようと頑張ったりしていたのだけど、ことごとく失敗に終わった。そして今回、時差はそんなに簡単に治らないことが判明してもう抗うことをやめた。
『身体が感じる時差は、1日1時間修正出来るか出来ないか』だそうだ。
どんなに頑張っても、短期間の旅行で人間の身体の時差を14時間も変えることは出来ないのだそうだ。(時差を感じないと言っている人は、ただ単に思い込みの激しい人なのだろう)
だから今回僕のカナダでの毎日は、夜寝ても2時間くらいで浅い睡眠から目覚めて、深夜から朝まで眠れずに明け方少しうとうとする。そして午後から夕方にまた眠くなり、ホテルや車の移動時間などで爆睡する…夜ご飯を食べて帰ってまた寝るけど2時間くらいで目覚める…時差になれなければ…という気持ちより、不思議な感覚を楽しむ感じだろうか。
時差ボケ体験で魅惑的なことは、眠りに引きずり込まれるあの瞬間だろう。
抗いがたい睡魔に襲われ、奈落の底に堕ちてゆく瞬間を体験出来ることは、生きている醍醐味のひとつにさえ感じられる。

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