親を喪った友に。

若い友人が、2年前にお母様を亡くしていて、今でもその喪失感や痛みの中にいるという書き込みを読んだ。
たいせつな家族、友人、ペットを喪失した時に、人はどうやってそれを受け入れ、乗り越え、毎日を生きてゆくことが出来るだろうか。
その友人は、予期せぬ母親の死に、今までお節介だった母親をわざと遠ざけていた自分の行いを後悔していた。
もうどんなに頑張っても、二度と会えないということを何度も噛み締めていた。
友人たちの前で無理して明るく振る舞おうとしても、辛い時があったようだ。
やがて、その悲しみを素直に受け止めようと、もう無理して大丈夫なふりはしないように毎日を生きていたら、少しずつ母親を亡くした喪失感よりも、母親がいてくれたこと、頼れる人がいてくれたことの感謝の気持ちがわいてきたという。
僕は、一日中考えて、やっとコメントを書いた。
「僕も父を亡くした時は、自分の影や重力がなくなってしまった不思議な感じにとらわれました。時間が出来たら、何か美味しいものでも食べに行きましょう」
たいせつな人をなくした喪失感は、あまりにも個人的な出来事であり、他人が簡単に力になったり出来るものではないだろう。
でも人間は、その喪失感や痛みを想像することができる。
やがて、自分の力で立ち上がろうとする友人を、静かに見守ることはできるかもしれない。

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