再び、大分へ。

Kはうさぎのコニーで、僕はクマのブラウンだそうだ。

「東京に行こうかと思っています。
東京で一緒に暮らしませんか?」
Kに突然言われて、どこまで本気なのかわからずに、僕もはっきりとしないまま、時が過ぎていた。
大分の病院で働くKは、3人兄弟の末っ子ということもあり、ご両親もそばに置いておきたい存在だと聞いていた。職場を変わることだって、30を迎える男にとってはリスクに違いない。
そんな、何もかもをKなりに色々考えて、やっと言葉にしたに違いない。
僕は、誰かと100%一緒に暮らしたということがないこともあり、同棲するということに戸惑いがあったのと、離れていると時々不安定になるKのことを思い、ふたりで一緒に暮らすことが少し不安だった。
そんなはっきりとしない僕に、Kはヘソを曲げてしまい、困った僕は、急遽大分に飛ぶことにした。
夕方大分空港に着いて、バスに乗った。
Kに会うことがなかったら、もしかしたらこの大分という地に足を踏むこともなかったかもしれないのに、今は国東の穏やかな海を見ると、いつしか心がほっとするような安堵に包まれる。
バスを降りて、ベンチで座っていると、後ろからKがうれしそうに声をかけてきた。
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