ウィークエンドはパリで

『ノッティングヒルの恋人』の監督でもあるロジャーミッシェルが、今度は熟年カップルを描いた。
新婚旅行の思い出の地パリに、結婚して30年を迎えたイギリス人の夫婦がもう一度旅行をするという話。生真面目でやさしく、どこか自分に自信がないニックと、男勝りで好奇心旺盛なメグという夫婦が織りなすドタバタ劇。パリの街の美しさとマジックを閉じ込めたこの映画は、パリの空気を存分に感じることが出来る。
この映画の素晴らしいところは、60歳を迎えるであろう夫婦の関係が、とてもリアルに表現されていることだろう。
ふたりは30年間ともに暮らしてきたので、深く愛し合っているようにも見えるし、30年間も経っているのに、まだそんな些細なことで喧嘩をするの…?と愕然とするような関係でもある。
生まれも育ちも違うふたりが出会い、結婚をして、子どもも育てあげ、ふたりがまたお互いに向き合った時に、いったい何が残されているのか・・・。身体もずいぶんと衰えて来て、お互いに対する興味や関心は薄れ、自分の人生を省みた時に、いったい何が残っているのか・・・。
都内では、シネスイッチ銀座でしかやっていないのだけど、ハラハラとふたりの行方を見守りながら、最後にはじんわりと心に迫ってくる素晴らしい映画。
★ウィークエンドはパリでhttp://paris-weekend.com

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