Hのお見舞い。

仕事の途中に、友人のお見舞いに行った。
僕より一つ年上のHは、難病のためこの4〜5年は病院の入退院を40回くらい繰り返していた。
そして先日、首の手術をした。
首の手術というのは、神経が集まっているためよほどのことがない限り行わないのだろうけど、Hの場合は半身不随になりかけてしまったのだ。
そこで、首の骨と神経を離し、そこへ放射線を当てるという聞いたこともないような難易度の高い手術が行われることになった。その手術が出来るのは、日本の中でも3つの病院しかないようで、中でも有名な医師のいる都立駒込病院で執り行われた。
手術は無事に成功して、しばらく経って身体も元気を取り戻し、リハビリに励みはじめた頃、やっと僕も面会に行けるようになったのだ。
前にもこのブログに書いたことだけど、僕は常々、Hの強さを尊敬している。
僕のような弱い精神のものならば、何度も繰り返す入退院や得体の知れない病気の恐ろしさで、心が折れてしまっているかもしれないと思うからだ。
音楽家として活躍しながらも、自分のキャリアを今は諦めざるをえないことや、身体が言うことを聞かないもどかしさ…
同年代だからこそわかる、これから年をとっていくなかで、一人でいることの不安など、短い時間の中で色々な話ができた。
僕とKとのささやかな暮らしを、Hは遠くから微笑ましく見守ってくれている。
またHの身体が回復したら、僕たちのレストランirodoriで一緒に食事が出来たらいいなあと思う。
毎日の不自由な病院での生活の中で、Hはさまざまなことを考え、人生で何がたいせつなのかを見通しているかのように見えた。
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