夜、ふたりで眠る時に。

腕枕は、昔から苦手だった。
している方も、されている方も気をつかうことになるから。
前に10年間つきあった人と寝ていた時は、彼が真ん中で大の字になってすぐに寝てしまい、その寝息を聞きながら、僕が彼の左側でやっと寝るような感じだった。それは、一つのスペースに、ふたりが静かに並んで眠るような感じ。
今つきあっているKは眠る時に、僕に絡みついてくる。それはまるで、会えない時間を取り戻すために、なんとか一つになろうとでもするかのようだ。
僕は右端に仰向けでいて、真ん中にKが僕の方を向いたまま左手を僕に回すか、左手と僕の左手をきちんと重ね合わせて眠る時もある。おまけに左脚がガバッと僕に乗っかってくる。前にここに書いたけど、『肘攻撃』というのもある。
つきあいはじめの頃は、そんな寝方がとても難しく、どうやったら眠ることが出来るのか、毎回試すようなことをしていた。それが、つきあって間もなく2年になろうとする今、もはや寝方のことを気にすることはなくなった。
僕がKの様々な攻撃を、受け入れるようになったのだと思う。それもごく自然に。
自分独自の習慣やスタイルがたとえ確立していたとしても、人は、つきあう相手によって、いかようにも変われるのだろう。
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