やさしい言葉。

このところ、珍しく仕事で心身ともに疲れきっていた。
Kが帰る最後の日の朝、Kがまた大分に帰ってしまう寂しさを感じながら、僕はなかなかベッドから出られなくて、色々なことをつぶやいていた。
「何もかも捨てて、田舎で暮らしたい…」
「東京の暮らしに疲れた…」
Kは、隣で心配そうに僕を抱きしめていた。そして僕の顔を覗き込みながら、
「大丈夫?ただしくん?」
「疲れちゃったの?」と聞いてくる。
僕が、「この年で会社やめたら、どこにも働き口ないだろうな…」と言うと、Kはすかさず、
「大分に来たらいいよ。僕の家で一緒に暮らせばいいよ。」と言った。
僕が、「この年で自分のやってきたこと以外なんにも出来ないけど、選ばなければ大分でも仕事はあるかな?」と言うとKは、
「ただしくんは、どこかで掃除のおばちゃんやればいいじゃん。そしたら二人で大分で暮らせるよ」
いったいどこから掃除のおばちゃんが出て来たのかはわからないけれども、そんな言葉に朝から涙がじんわりと溢れたのでした。
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