グレート・ビューティー 追憶のローマ

久しぶりに映画に心から陶酔した。ここ何年かの映画の中で、最も好きな映画が、『グレート・ビューティー』だ。
主人公のジェップは、過去に名作を遺した小説家。今は絶筆していて、アーティストなどのインタビューを雑誌に提供して暮らしている。夜毎セレブリティや貴族たちと饗宴を繰り広げながら、65歳の誕生日を迎えた時に気づく。
『もはや、自分の望まない行為に費やす時間などない』
『人生とは何か?』という問いを、一言で答えるのは難しいように、この映画が描こうとすることを一言で表すことはできない。
『人生』『生きること』『真実』『死』『虚構』『普遍』『愛』『不条理』…様々な要素が複雑に絡み、物語の先は全く予想することができない。
主人公は、年をとって思い知る。
自分の人生で手にした確かなものはなんだったのか?本当の愛はあったのか?幸福はあったのか?死はそこにあるのか?
何千年と世界の中心で有り続けた『永遠の都』ローマの、息を飲むほどに美しい映像に、鮮烈な主題が次々に浮かび上がる…。
正直言って、この映画は、あまり多くの人にすすめることは出来ない。フェリーニへのオマージュにも捉えられるし、あまりにも一般的な映画ではないからである。
日本語の『グレート・ビューティー』というタイトルからは想像の出来ない、圧倒的な世界がそこにある。
※絶対に、映画が終わってすぐに席を立ってはいけない。エンドロールにもla grande bellezzaが潜んでいるから。the beautitudes https://m.youtube.com/watch?v=FskOzt6INlQ
★LA GRANDE BELLEZZA グレート・ビューティーhttp://greatbeauty-movie.com/sp/

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