年の差カップル。

二丁目で飲んでいたら、隣りに年の差が離れたカップルが座った。
つきあい出して間も無く1年だというふたりは、仲睦まじく、しょっちゅう手を握り合っている。
年配の方はコムデギャルソンのハート型のイラストのTシャツを着ていて、54歳。下の子は韓国人で38歳。その差は僕とKとの差と同じく16歳だ。
二泊三日でずっと一緒に夏休みを過ごして、海に行ったり美術館に行ったり、手料理を食べたり、どんなに楽しかったかが自ずと伝わってくる。
そして、年配の人が言う。「この子、いつも別れる時、泣くんですよ。寂しいって言って…」若い子は、恥ずかしそうに言わないでくれと年配をたたく。
そんなおのろけを聞きながら、僕は笑ってばかりいた。ふたりは同じコムデギャルソンのTシャツも持っていて、若い子はお揃いは嫌がるけど、年配の方は一緒のものを着たいと言う。
年配「昔は私がヤキモチを妬いてばかりいたのに、今はこの子が私にヤキモチを妬くんですよ。携帯の中まで見せろと言うんですよ…」
年配「私が死んだら、私の遺産は全部この子に遺すつもりなんです…」
そんな話をするから、また若い子は年配をたたく。
このカップルだって、もしかしたら一年後、いや、三ヶ月後だってどうなっているのかはわからない。
僕たちは生きていて、毎日心も変わってゆくからだ。
それでも僕は、なんだかふたりを見ているだけで無性にうれしかった。
今、ふたりは愛し合っているというだけで、他には何も必要ないように思えたのだ。
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