めぐり逢わせのお弁当

シネスイッチでやっているもう一つのインド映画を、ずっとお盆の週も観ようとして映画館に足を運んでいたのだけど、とにかく混んでいて、2時間前に行ってもチケットが取れなかったのだけど、やっと観ることが出来た。
ムンバイでは、家で作ったお弁当を、わざわざお昼に配達してくれる仕事があるようだ。ある日、主婦のイラが、夫の関心を惹くべく愛情を込めて作ったお弁当が、何かの手違いで夫ではなく別の男の元に届いてしまう・・・。
イラは、夫の愛情をなんとか取り戻したいとひたすらお弁当を作り続け、愛する妻を失い早期退職を考えていたサージャンは、まるで人生を諦めてしまったかのような毎日。まったく会ったこともない人間同士が、毎日の短い手紙のやり取りによって、お互いがまだ見ぬ相手を想像し、少しずつ惹かれてゆく・・・。
この映画を観終わった時に、なんだか良質な短編小説を読み終えたような読後感に包まれた。イラの人生の苦悩と、サージャンの喪失感を思った。そして、どんな人間でもそれぞれに人生のドラマがあるのだと感じることが出来た。
お弁当が間違った場所に配達されてしまう確率は、なんと600万分の1だそうだ。確率はともかく、そんな不思議な出会いによって、人の人生は軽々と方向を変えてゆくものなのかもしれない。
★めぐり逢わせのお弁当 http://lunchbox-movie.jp

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