いつもふたりで。

LとJが、ようやく九州旅行を終えてシンガポールへの帰国の途についた。
結局、4泊5日ずーーーっと彼らとKと4人で朝も昼も夜もほとんど一緒にいたのだ。それなのに、本当に何一つ嫌な思いをすることはなかった。車の中でも、ずーっとみんなでゲラゲラ笑っていたのだ。
僕と彼らは、本当に珍しくいろいろな点で好きなことなどが似ているみたいだ。旅行で重要なことは、断然『食べること』。それと同じく『宿』も重要。
一緒に旅をしていて気づいたことは、彼らが常にお互いに気遣い合っていて、心から愛し合っていること。車の中でも、振り返ると後部座席で常に手を握り合っているし、食事中もお互いに美味しいかどうか、どう思うかを確かめ合いながら過ごしている様子を見ていると、お互いにもう、なくてはならない存在なのだろうと思える。
ふたりはインターネットの『fridae』で出会った。
シンガポールで暮らすLと、香港で暮らすJは、しばらく文通のやり取りだけだったのだけど、Lが香港に仕事に行った時に、香港のホテルで待ち合わせをして会うことに・・・。ふたりはホテルで見つめ合い、『運命の人』に出会ったとお互いに確信したそうだ。
その後ふたりはつきあうことになり、お互いがもっともっと一緒にいるために、Jが自分のキャリアをすべてあきらめて、シンガポールに住むLのもとへ渡ったそうだ。
その話しをする時に、ふたりは『sacrifice(犠牲)』と言う言葉を使った。Jは『sacrifice』になってくれたのだと・・・。
今、Lはアメリカ系企業の環太平洋の拠点があるシンガポール店で働いている。そしてJは、出張の時はふたりで一緒にどこにでも行くし、Lの日常の細かな実務的なことを秘書のようにこなしながら働いているようだ。シンガポールとペナンに家を持ち、大胆に休暇を取ることが出来て、早くもリタイアを考えているLはきっと、僕なんか想像できないくらいの給料をもらっているのがわかる。
ふたりは、英語の出来ないKに何度も話しかけていた。そして、Kがいない隙に僕に言った。
「Kはいい子だよ。本当にいい子だ」
彼らは、僕たちにももっと幸せになって欲しいようだ。離れて暮らす僕たちは、いつもふたりでべったり一緒にいても幸福そうな彼らに、すっかり魅せられていた。
どうやら、『愛』は、この地球にあるようです。
カテゴリーgay

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です