選ばなかった人生。

不思議なことに、Bridgeに行ったら、3ヵ月前からこのブログを読んでいるという方に出会った。
彼は69歳。外苑前の僕の近所にお住まいのようだ。僕がこのブログの中に書いている『Bar 緑』の前も何度も通っているというので、驚いてしまった。
彼に、「あなたは、感情も、思ったことも、抑えることなくすべて曝け出しているだろうから迷いも何もないでしょうね…」と言われて、苦笑いしてしまった。
彼はその昔、二年半つきあった男性と一緒に暮らしていたらしいけど、長男でもあり、家を守らなくてはならないという気持ちが強くあったため、結婚する道を選んだそうだ。
「もう一度、人生をやり直せるなら、私は…」と言って何度も口ごもり、瞳の奥が潤んでいるようだった。
僕は、「今まで生きてこられた人生の中には、きっと素敵なことも沢山あったのではないですか?」と聞いてみた。
その人がどんな選択をしようが、生きてきた人生には、良かった面が確かにあり、すべてには意味があることだと思うからだ。
僕は、「今からではダメですか?今からもう一度、自分の人生を新しく生きるのは…?」と言ったのだけど、奥さんやお子さんのいる彼にとっては、それは容易なことではないのかもしれない。
彼だけが特別なのではなく、彼のように、本当の自分のセクシャリティを隠しながら、家族や社会の中で期待された自分であることを選び、生きているゲイが、この国ではほとんどなのではないだろうか?
これから先のこの国や世界において、ゲイやセクシャルマイノリティの人たちが、その人のままで生きてゆける世の中になりますように…。
カテゴリーgay

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